あこがれの叔父さんと短いドライブ

EyeCatch

小学生の頃、母の実家である房総半島の祖父母のいる家に1週間ほど遊びに行くのが、毎年恒例の家族の行事になっていました。
両親と私、妹と弟で、自宅から車で4時間ほど走ると到着します。

祖父母の家は敷地も広く、自分で食べる用の野菜は自分の畑で栽培していました。
東京育ちの私にとって、周辺に他のがなく、雑木林に囲まれた田舎の土地は、とても新鮮で、毎年行くのを楽しみにしていました。

小学5年生の時、祖父母の家に一緒に住んでいた母の妹が結婚し、相手の男性がお婿さんとして、その家に一緒に住むことになりました。
結婚式で初めて見た叔父は、まだ若くて背が高く素敵で、私にとってはあこがれの叔父さんとなりました。

その年の夏休みも祖父母の家に行き、叔父も交えて走ったり、ボール投げをしたり、プールに行ったり、虫を採ったり、野菜を収穫したりして楽しく過ごしました。
思春期になりかけていた私にとっては、叔父の存在が新鮮で、あこがれ以上のものを感じ始めていたと思います。
でも、私はそれを誰にも悟られないように、隠すように無邪気をふるまって妹や弟も一緒に遊びまわりました。

ある日その叔父が、私と妹と弟に、一緒に近くのスーパーまで買い物に行くか?と誘いました。
3人セットで誘ったのですが、妹と弟は眠いから行かないと言い、
叔父はそれなら当然私も行かないだろうと思っていたようですが、私はチャンスと思って、思わず行くと答えていました。
叔父は少しびっくりしたようで、困った顔をしていました。

叔父と二人きりの車内は緊張感があり、それまで無邪気に遊んでいた私も何を話していいかわからず、叔父の緊張感も伝わってきて、無言で過ごしました。
そしてスーパーでシャンプーやお盆用の飾りを買って帰ってきました。

片道20分くらいの道のりで、特に何を話したわけでもありませんが、あこがれの叔父さんとのドライブは忘れられない思い出として心に残りました。
今でも叔父には会う機会がありますが、そして今では普通に親戚として接していますが、叔父の顔を見るとその日のことが思い出されて、少し心が苦しくなります。

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