私が中学生の頃の話です。
地元のお祭に行ったのですが、余所見をしながら歩いていたら一緒にいた母とはぐれてしまいました。
周りを見ても母は全く見えず、焦りました。
前へ行こうにも人が多すぎて中々進めず、どうしようと思ったとき、当時少し気になっていた男子と会いました。
私が焦っていることが分かったらしく、どうしたのかと聞いてくれました。
私は中学生ですので母とはぐれたなんて言うのは恥ずかしかったのですが、このままではどうにもならないと思い、ありのままを話しました。
そうしたら彼は、一緒に探すと言ってくれました。
一緒にいた時間は、せいぜい5分くらいだったと思います。
ですが、その5分が物凄く幸せで、母とはぐれてしまった寂しさは無くなってしまい、この時間がもうちょっと続けばいいのにと思ってしまいました。
今思えば、勢いに任せて一瞬でも手に触れておけばよかったですね。
その男子は母の顔を知っていましたし、背もそこそこ高かったので、心強かったです。
また、不安な私を少しでも楽しませようと思ったのか、母が見つかるまでの間色んな話をしてくれました。
彼の優しさに触れて、もっと好きになってしまいました。
結局告白は出来ませんでしたが、あの夏のたった5分間は、素敵な思い出です。
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