小学校4年生の時、初めて、好きな人ができました。
クラスでは元気で明るいムードメーカーで嫌いな人はいなかったと思いますが、
勉強ができるわけでもなく、リーダーとして集団を引っ張っていくというわけでもなく、悪ふざけが過ぎる時もあるので、
女子のあこがれの的という存在では決してない人でした。
むしろ、その人が好きだということがばれると、なぜ好きなのか、
どこが好きなのかクラスの女子も男子も首をかしげるような人だと思います。
そのせいで、私は自分がその人が好きだということを誰にも言いだせませんでした。
でも、時々はっとするくらい大人っぽい優しい発言をする人で、私はそこが好きだったのだと思います。
学校の夏休みのプール開放に出かけた帰りに、近所に住む女の子の友達と帰っていると、
その男子が少し後ろの方を1人で歩いているのが目に入りました。
いっしょに帰っていた女子が学校に忘れ物をして、
1人になった私と男子の距離が10mくらいになり緊張しましたが、
「宿題すすんでる?」と話しかけてみました。
まあまあかなと言われて少し沈黙。
その時、履いていた運動靴が何かに引っかかって軽く転んでしまいました。
格好悪いなあと思って立ち上がろうとすると、
「大丈夫か?」と言われて私の手を取って起こしてくれて、
私がどきどきしている間に、自分の持っている水泳用のタオルで膝を拭いて、
しかもほどけていた靴の紐を結んでくれました。
次の瞬間に、思わず「好きなんだよね。」って、告白していました。
「ありがとう。オレも。」って言われて、とても幸せでした。
当時はだからその後何かに発展するようなことはなく、半年後にはクラス替えになってしまいましたが、
小学校卒業まで、何となく意識しながら毎日を過ごしました。
中学校は別になってしまいそれきりですが、今でも実家の近くのその道を通ると、その時のことが思い出されます。
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