私が子供の頃、祖父や祖母のいる田舎へ遊びに行った時に、偶然蛍を見ることができました。
夜、花火大会を見に行った帰りに、道の端にある細い水路のところに、綺麗に点々と輝くものを見つけました。
とても綺麗でずっと見ていたのですが、父が「あれは、蛍だよ」と教えてくれました。
兄は綺麗に光っている蛍を、手に取って見ていたのですが、私はなぜかこわくてできないでいたら、父が手に持ってきて、間近で蛍を見せてくれました。
間近で見る蛍も、一生懸命に光を放っているような感じがして、子供ながらに、とても感動しました。
蛍を見たのはそれが最初で最後でしたが、父が見せてくれたその蛍を、今でもしっかりと覚えております。
私達が幼い頃、父は仕事の関係で出張が多く、一緒にいる時間がほとんどありませんでした。
そのため、私が寂しくならないようにと、誕生日になると、当時の私と同じくらいの大きさのぬいぐるみを買ってくれたり、大人になると、成人式など節目節目でプレゼントを贈ってくれました。
そのどれもが、父の温かい気持ちが伝わってきたのですが、やはり、あのキラキラ光る蛍を傍まで持って来てくれたことが、一番嬉しかったです。
私がいい大人になった今でも、父は私には甘く、未だに誕生日になると「何が欲しい?」と聞いてきたりします。
ですので、私はそのたびに、あの昔見た、蛍の話をするようにしておりま
コメントを残す